先取りドリームビュー: Purgatory Panic

『Purgatory Panic』は催眠術のような2Dプラットフォームゲーム。壁を飛び越えたり、飛んでくる弾を避けたりしながら、渦巻型のステージをグルグルと進んでいき、ステージの中心にいる卑劣なボスを倒します。

オランダの開発者Erik Roggeveen(ゲーム内ではsurrounded_)が今年のDreamsComでリリースした体験版はまさに圧倒される内容でした。現在はDreams Universe™でプレイ可能なので、ぜひプレイしてみてください。

DreamsComで発表された『Purgatory Panic』のトレーラー

あとでプレイ

(Dreams Universe™本体が必要です)

インプサイダーはさらに詳しく知るべく、Roggeveenにインタビューを行いました。その中で彼は、そのユニークなアートスタイルを実現した手法や、優れたプラットフォームゲームとは何かについて語り、さらに、魅力的な2DプラットフォーマーをDreams Universe™で作るためのアドバイスもしてくれました。

紫色の渦巻型ステージで、小さな角の生えたキャラクターが足場に飛び移っているシーン。中央には3つ目のボスが待ち構えています。

紫色の渦巻型ステージで、小さな角の生えたキャラクターが足場に飛び移っているシーン。中央には3つ目のボスが待ち構えています。

ゲーム開発にはいつから興味を持ちましたか?

子供の頃、紙に『スーパーマリオ』のステージを描いていたのを覚えていますから、ある意味、ゲームを遊ぶようになった頃からそうなのかもしれません。ただ、そのアイデアを実際に遊べるステージにする方法がありませんでした。

これまでもFlashやGame Makerなどのツールに触れてきましたが、簡単なアクションゲームを作るにも複雑で、なかなかうまくいきませんでした。ゲームを完成させることができたのは、Dreams Universe™が初めてです。

『Purgatory Panic』はどのようなゲームでしょうか?

『Purgatory Panic』は2Dプラットフォームゲームで、短めでやりがいのあるステージを楽しめます。ジャンプして障害物を避けるだけで、戦闘要素はありません。誰でもゴールにたどり着けるようにデザインしていますが、各ステージにはソウルというコレクションアイテムが3つ配置されていて、どれも難しい場所にあります。全部集めようとすると、なかなか苦労すると思います。

また、今回初めて、ドリームズ・ユニバースで既存の曲を使うのではなく、作曲家とのコラボレーションを行っています。landroid9000がこのゲーム用にオリジナルサウンドトラックを作ってくれて、とてもいい経験になりました。

青緑色の渦巻型ステージで、小さな角の生えたキャラクターが足場に飛び移っているシーン。中央にいるボスは大雨のように涙を流しています。

青緑色の渦巻型ステージで、小さな角の生えたキャラクターが足場に飛び移っているシーン。中央にいるボスは大雨のように涙を流しています。

渦巻状の視覚効果が素晴らしく、プレイヤーがステージの奥深くに進んでいるように見えますよね。このアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか? 何か特別なインスピレーションを受けたのでしょうか?

実は、この作品は当初は『Cow Runner』の続編として制作を始めたものなんです。同じループを何度も走らせるのではなく、ランダムに生成されたセグメントを持つ無限の渦巻きを牛が走るようにすれば、もっと変化をつけられるのではないかと思いつきました。

ですが、この計画は少し冒険的すぎました。うまくいきませんでしたが、渦巻きの上を走るアイデアには手ごたえがあったんです。特に、カメラを牛に固定して、プレイヤーを中心に世界が回転するようにしてみました。ジャンプボタンを追加すると、ほぼプラットフォームゲームに近い感じになったので、そのアイデアを採用しました。

その効果をDreams Universe™でどのように実現したのでしょうか?

この渦巻きというのは、実は大きな空洞のある塔なんです。真ん中に立って見上げると、遠近法で渦巻きのように見えます。

当初の案では、塔の影だけを表示して、2Dゲームのように完全にフラットな映像にしようと考えていました。ですが、そうすると影の部分がかなりぼやけてしまいました。

Roggeveenが『Purgatory Panic』の3Dを2Dに落とし込んだユニークなアートスタイルを初めて試みたときの様子。

Roggeveenが『Purgatory Panic』の3Dを2Dに落とし込んだユニークなアートスタイルを初めて試みたときの様子。

そこで、カメラを塔に向けると、ビジュアルがよりシャープになることに気づきました。フラットな2D映像を保つため、すべての光源を消して真っ黒にしました。そして、コントラストをつけるために、背景に大きなテキストガジェットを置いて、何が起こっているのかがわかるようにしました。

セピア調の渦巻型ステージで、小さな角の生えたキャラクターが失われたソウルを集めるシーン。中央には漫画に出てくるネコのようなボスが笑っています。

セピア調の渦巻型ステージで、小さな角の生えたキャラクターが失われたソウルを集めるシーン。中央には漫画に出てくるネコのようなボスが笑っています。

本作はプラットフォームゲームとしてのクオリティが非常に高く、プレイしていると、『Super Meat Boy』、『The End Is Nigh』、『Celeste』のような名作が思い浮かびました! 面白いプラットフォームゲームを作る秘訣は何でしょうか?

ありがとうございます! 私自身、その疑問について繰り返し考えました。以前は、シャープで正確な操作性がプラットフォームゲームの良し悪しを分けると思っていましたが、自分で作るようになってからは、ステージに良いリズムがあることがより重要だと思うようになりました。

ただ右に走って、たまにジャンプボタンを押すだけでは飽きてしまいます。それぞれのステージでは、さまざまな状況や障害物の波が重要だと思います。難しいゾーンの後には、プレイヤーが一息ついて落ち着ける時間が必要ですが、それでアクションの流れが断たれてしまってはいけません。

緑色のステージで、小さな角の生えたキャラクターがトゲを飛び越えてソウルを集めるシーン

緑色のステージで、小さな角の生えたキャラクターがトゲを飛び越えてソウルを集めるシーン

操作キャラクターである小さな角の生えた生き物について教えてください。このキャラクターにはどんなストーリーがあるのでしょうか?

設定として、彼らは保険会社の社員で、お金持ちの客に死後の世界の保険を提供しています。天国に行けるかどうか不安なら、善行をする代わりに、保険に加入してもらうんです。その客が死んだ後、会社の社員が臨死体験を誘発して、彼らの魂を天国まで導くんです。

とても皮肉なストーリーですが、暗めのビジュアルに合っていると思います。

赤色の渦巻型ステージの中心で、小さな角の生えたキャラクターが陽気なオレンジ色のボスに向かって進むシーン。

赤色の渦巻型ステージの中心で、小さな角の生えたキャラクターが陽気なオレンジ色のボスに向かって進むシーン。

Ultimate 6-in-1 Retrogame Multicartを使って今回のようなクールな2Dゲームを完成させましたが、Dreams Universe™での2Dゲーム制作についてはどう思いますか? そのメリットと、特に課題だと思う点を聞かせてください。

最大の課題は、作業にしっかりした計画性が求められることだと思います。Dreams Universe™のツールは、3D空間ならゲーム性をあまり気にせずに行き当たりばったりで作ることができます。大げさな言い方かもしれませんが、シーンにパペットを置いておけば基本的にすべてうまくいきます。ですが、2Dゲームの場合は、グリッドを使ってすべての要素を正しく配置しなければなりません。

大きなメリットは、ゲームがより正確にプレイできることです。例えば、3Dゲームでは、小さな足場でジャンプするのは非常にイライラするものです。逆に2Dプラットフォームゲームでは、プレイヤーが正確かつ直感的にジャンプ操作できるので、小さな足場をたくさん使った複雑なコースを作ることができます。

濃緑色の渦巻型ステージ。中心には不安げなボスキャラクターが見えます。

濃緑色の渦巻型ステージ。中心には不安げなボスキャラクターが見えます。

『Purgatory Panic』のステージ数はいくつになるのでしょうか? また、完成版のリリースはいつごろになりそうでしょうか?

正直なところ、あまり先の見通しが立っていないので、まだ正確にはお答えできません。今のところは、ゲームが完成したと思えるまでステージを作り続けています。ですが、絶対に今年中には完成させますよ!

これからDreams Universe™で2Dプラットフォームゲームを作りたいと思っている人にアドバイスをお願いします。

ステージを作り始める前に、時間をかけて操作性を微調整することが大事です。2Dゲームでは、動作の緩慢さがはっきりと表れます。私は少しやりすぎて、ムーバーとモーターボルトを使ってすべてを一から作りましたが、プラットフォームゲーム用のパペットを使うだけでも、パペットの設定によってゲームのプレイ感を大きく変えることができます。ターンスピードを上げたり、空中コントロールを最大にしたり、加速や減速のスピードを変えてみたり… それだけでも本当に別物になります。

そしてもちろん、私自身が従うべきだった最も大切なアドバイスは、「シンプルに始めること」です。初めて作る2Dプラットフォームゲームで渦巻型の視覚効果を中心にすると、複雑さが倍になるので絶対にお勧めできませんね(笑)

Dreams Universe™のユーザーガイドはただいま作成中。これからプレイのヒントに関するコンテンツを増やしていく予定なのでチェックをお忘れなく!