先取りドリームビュー: PROTOLAND
宝石のような空、3Dプラットフォーム、歯ごたえのあるガンプレイ、キラキラのパーティクル、バレットタイムではじける夢のようなバブル。FPSゲーム『PROTOLAND』は、Paulo-Lameirasの普段の作風とは少し違います。そしてどうやら、Cyber TriggerやImpy受賞作 Solar Blastなどの2D作品のヒットで知られる彼にとって、それこそがポイントだったようです。
DreamsCom '22 dev session(新しいタブで開く)のストリーム配信に間に合うように手に汗握るデモが公開され、現在はDreams Universe™でプレイできるこのゲームは、ある意味で過去を取り戻すためのものだったといいます。今回のインプサイダーでは、ポルトガル人作者が、『PROTOLAND』の発想の源、2Dから3Dへの進出、そしてDreams Universe™が生涯の夢を叶える鍵となったことについて語ってくれました。
(Dreams Universe™本体が必要です)
ゲーム開発に興味を持ったきっかけは? どうしてDreams Universe™にたどり着いたのでしょうか?
ゲームにはずっと興味がありましたが、90年代には、独学で[ゲームデザイナーとして]成長するためのツールは多くありませんでした。少し前まで、ここポルトガルではゲームデザインはちゃんとした仕事と見なされていなかったので、結局は別のキャリアを歩むことになりました。2013年にDreams Universe™が発表された時、すぐに可能性の大きさと昔からの夢を実現するチャンスを感じ取りました。だから、Dreams Universe™のベータ版がリリースされた日が、私のゲームデザイナーとしての第一歩になったんです。
Dreams Universe™では、2Dピクセルのレトロなゲームの作者として知られていますが、レトロなスタイルのゲームの楽しい所や心を動かされる所はどこですか? 特に影響を受けたと思うレトロゲームはありますか?
今のゲームは大好きなので、作るのがレトロゲームになりがちなのは、個人的な思い出やノスタルジーの要素がほとんどだと思います。「ZX Spectrum」、「Amiga 500」、「メガドライブ」などで遊びながら育ち、それらのゲームやジャンルで自分の作品を作ることはずっと夢見ていました。それが今、実現しているわけですね。
ゲーム開発者としてのご自身のスタイルはどんなものだと思いますか? ゲームを作る上で最も大切にしていることは何ですか?
特にスタイルがあるとは思いません。ただ、美しいもの、興味をそそるものが好きなんです。それから、良くも悪くも完璧に仕上げることに取りつかれていて、少なくとも自分の基準を満たさないものは発表しません。大抵の場合は、最初の数ヶ月はシステムとゲームプレイに専念し、グラフィックとステージデザインは最後に取っておきます。
その2つの間に、テストだけで何十時間もかけます。心配性なので、慌てて未完成のゲームをリリースしてしまわないように、このやり方にたどり着いたんです。ドリーマーからのフィードバックや自分の経験から学んだのは、プレイヤーをイライラさせるような選択を避けることです。例えば、ゲームの最初から長いテキストを読まされたり、最初からたくさんの操作をさせられたり、スキップできない長いカットシーン、広くて何もない場所をゆっくり歩かされるなどは避けたいですね。
『PROTOLAND』はどんなゲームでしょうか?
『PROTOLAND』は、90年代前半のFPSゲームからインスピレーションを得ています。『Wolfenstein 3D』、『DOOM』、『Quake』などですね。これらの往年の名作が持っていたシンプルさと探検の楽しさを、現代的な機能とエフェクトで蘇らせたかったんです。
Dreams Universe™でのあなたの他の作品とはかなり異なっていますね。なぜ3DのFPS制作に興味を持ったのですか?
どんなジャンルも好きなので(まあ、リズムゲームとスポーツゲームはそうでもないのですが…)、もしずっと以前にゲームデザインを学んでいたら作っていたであろうものを残らず作りたいと思っているんです。Dreams Universe™では、プラットフォーム、シューティング、リアルタイムストラテジー、レーシングゲームを作りましたが、これからももっと多くのゲームを作る予定です。最近作ったピクセルアートのゲーム作品数作がDreams Universe™でかなり人気が出たので、『PROTOLAND』では、3Dでも同じように洗練されたゲームを作れることを確かめたい気持ちがありました。
3Dのステージデザインと2Dのステージデザインの違いは? 新しい学びはありましたか?
Dreams Universe™では、2Dゲームより3Dゲームを作る方が簡単だというイメージがありますが、私にとっては逆なんです。パペットを世界に配置する作り方ならその通りなのかもしれませんが、すべてを一から作る場合、3Dゲームはより多くの作業が必要ですからね。より多くの変数を扱うことになるし、プレイの方向も多様で、そのすべてで機能するようにしないといけません。あらゆる視点からの見た目を良くしなければいけないし、プレイヤーがプレイアブルエリアの外に出てしまう方法もより多いんです。
3Dゲームの制作はより複雑で、でもそのチャレンジこそがDreams Universe™とゲームデザインの好きなところですね。
アートスタイルが鮮烈ですよね。あの波打つ雲! レトロゲームにインスパイアされているのは感じますが、あなたの他のゲームとはかなり違います。このアートスタイルの参考にしたものはありますか? また、どんな雰囲気を狙ったものですか?
ミステリアスな舞台が好きなんです。映画、本、ゲーム、現実の歴史でもSFでも。魅力的な雰囲気は、それだけで物語を作り出し、想像力を高めてくれる力があると思います。そういう舞台だと、自然と周りを調べ回ったり、散策したい気持ちになってきます。
それから、混沌としているよりもシンプルな方が好きです。ステージ自体に関係のないノイズが多すぎると、雰囲気が損なわれると感じるんです。だから、いつもシンプルなHUD、クリーンなイメージ、そしてあまり誇張されすぎない光源を選んでいます。
『PROTOLAND』のデモでは数種類の武器が使えますが、それぞれ撃ったときの感覚が明らかに違います。武器に個性を持たせるために、どんな工夫をされたのでしょうか? また、Dreams Universe™で銃を撃つ感覚をより良くするためのコツがあれば教えてください。
武器の数と種類のバランスを取るようにしています。数はそれほど多くありませんが、ピストル、マシンガン、ショットガン、ロケットランチャー、スナイパーライフル、そして非常に強力な特殊武器といった、定番のものは揃っています。
戦闘の感覚については、効果音、画面の揺れ、コントローラーの振動など、思いつくエフェクトを片っ端から追加しています。特殊なエフェクトや物理ベースのパーティクルも、インパクトや面白さに大きく貢献すると思います。このゲームのために「フリーズ」システムを作ってから、爆発が起こるたびに少し動きが止まるという手法を実験しています。微妙な効果ですが、爆発の迫力が増すと思います。
Dreams Universe™でFPSゲームを作って、どう感じましたか? このエンジンを使う利点と、逆に難しいところは何ですか?
他のツールを使ったことがないので比較できないのですが、Dreams Universe™に慣れておくことで、他のスクリプトエンジンに入りやすくなるのは間違いないでしょう。基本はどのエンジンも同じですが、Dreams Universe™の利点はオールインワンだいうことです。ロジック、音楽、スカルプチャー、アニメーションの作成から、作った作品の共有、他の人の作品のプレイまで、数秒でできます。スピードだけでなく、汎用性がとても高いんですよ。
Dreams Universe™で私が困難だと感じるのは、シーンメーターによる制限だけです。でも、最適化によって制限を回避するのは楽しいところでもあります。
この後、『PROTOLAND』はどうなる計画なのでしょうか? また、ゲーム本編のリリースはいつになるのでしょう?
最初の計画では、これまでの作品と同じように、1つ舞台で大きなステージを作るつもりでしたが、すぐにそれは不可能だとわかりました。デモの小さなステージで既にシーンメーターが最大ですから。5つのステージとアリーナの複数のシーンを作って、今年の秋にリリースする予定です。
Dreams Universe™のユーザーガイドはただいま作成中。これからプレイのヒントに関するコンテンツを増やしていく予定なのでチェックをお忘れなく!